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盗聴発見

盗聴発見/入門マニュアル

盗聴とは「他人の会話を気付かれないように聞くこと」です。昔から「壁に耳あり」「障子に目あり」と言われていました。現代では一般的に「目的を持ち、特定の場所に盗聴器を設置し、特定の周波数などを何らかの機器を使って、普通では聞くことが出来ない音声を、気付かれないように取得する」事を指します。盗撮も同様です。

但し、受信機を使用し飛び交っている電波を単に聞く行為は「傍受」となり、盗聴ではありません。

盗聴発見の注意点

(1)盗聴の種類

最も一般的なものが、「電波式盗聴器」です。その形は、ボックス型(電池使用)、電卓やペン型を装ったもの、コンセントや電話機のモジュラージャックに偽装したものまで様々な種類が存在します。また、ワイヤレスマイク・コードレスホンなども無線を使って音声を飛ばすものであり、結果として盗聴器の役割を果たすこともあります。

その他のものとしては、電話回線や電灯線に取り付け有線を通して盗聴する機器、本来は盗聴器ではありませんが携帯電話などにイヤホンマイクなどを付け自動着信させることにより使用する場合などもあります。また、車両などの位置を確認する為に電波を発信する機器もあります。ご注意下さい。

これとは別に、最近では、ADSLやCATV、ISDN、光ファイバーなどを利用したブロードバンドが普及していますが、これらの中で「無線LAN」(現在では2.4GHz・最大11Mbps・IEEE802.11bの無線LANが主流)も無線を使用している以上、傍受される可能性があります。
無線LANのアクセスポイントを探して表示する「Net Stumbler」ではセキュリティー機能が有効か否かをはじめとして重要な情報が開示されています。これらを利用して「インターネット回線を通じて――回線の所有者が加害者とみなされる」掲示板荒らしやハッキング(ネットで接続された他のパソコンの中身や、共有ファイルなどは危険です)またルーターの設定変更やソフトを利用してのIPアドレスなどの解析にも注意が必要です。

一般的な対策としては、以下の方法が考えられます。

  1. ID番号によるアクセス制限を行う
  2. 「WEP」による暗号化機能を利用する
  3. 「ESS-ID」に会社名や個人名を使用しない
  4. 共有ファイルにパスワードの設定を行う
  5. パソコンを使用しない時はアクセスポイントの電源を切る
  6. 別企画の無線LAN(例えば、さらに電波の指向性・直進性の高いもの)などを使用する。

無線LANへの進入は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」で禁止されています。(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)

無線LAN以外にも盗聴発見調査ではありませんが、コンピューターセキュリティーに関しての対策は個人・企業を問わず今後も重要性は高まるでしょう。これに対する防衛策もビジネスとして検討して下さい。

ここからは、主に一般の電波式盗聴器に関して説明を続けていきます。

(2)盗聴の目的

  代表的な例としては次のような理由が考えられます。

  1. 企業の内部情報を得る-商談中の取引や新製品情報、開発内容、顧客リスト、雇用問題や人事対策、労使間のトラブル 
  2. 金銭のトラブル(個人・法人)
  3. 素行・身辺調査
  4. 趣味・愉快犯・ストーカー

  過去の主な事件
  1970年 共産党委員長宅の電話にノイズ混入から発覚
  1972年 米国でのウォーターゲート事件
  1986年 共産党幹部宅盗聴事件、現職警官による盗聴
  1988年 自民党副幹事長事務所の電話配電盤に
  1989年 静岡県三島市長選に関連する盗聴事件、探偵事務所経営者が逮捕される
  1991年 山梨県警が覚せい剤事件の捜査中に盗聴
  1994年 組合対策で神奈川県の病院内、組合幹部宅に盗聴器が設置
  1994年 宗教団体に反対する団体幹部宅から盗聴器
  1996年 女性タレント宅に盗聴器

これらは大きな事件となったものに過ぎません。実際の盗聴は一般個人から企業間の競合など、身近なケースが圧倒的に多いのです。

(3)盗聴発見に関して

機器は簡単に入手できます。また販売することも違法ではありません。但し、電波法により微弱無線の基準を超える電波の送信には免許が必要です。また盗聴器を仕掛けた本人以外が受信する場合は違法ではありませんが、傍受した内容や存在を漏らすことは禁じられています。
さらに、盗聴器を仕掛けるために無断で他人の家や敷地内に侵入することや、電気配線や電話配線に手をつけることは刑法の住居侵入罪などに該当します。
また、ストーカー法により罰せられる可能性もあります。絶対に盗聴盗撮行為は行わないで下さい。

  • ISDN回線など、一般的にデジタル化されている為、盗聴器が仕掛けられても音声は拾われません。しかし室内のアナログ部分に盗聴器が仕掛けられていた場合は可能です
  • 盗聴電波の周波数

大量生産されている盗聴器の周波数は、ほぼ決まっています。現在は他の電子機器からの影響を受けにくくするためにUHF帯のものが主流になっているようです。また周波数を変えることも業者により行われていますので注意が必要です。なお、盗撮のために使用される周波数帯は指向性の高いGHz帯が一般的です。

  • 盗聴器の取り外し

電話回線上に取り付けられた盗聴器を外すには「アナログ第3種工事担当者」という資格が必要です。したがって購入した電話機に取り付けられていた場合、法的には「電話回線(モジュラーなど)を抜き、盗聴器を撤去」する必要があります。

さらに、電話回線の保安器に盗聴器が仕掛けられていた場合、勝手に内部に接触し取り外すことは電気通信法に違反します。また、電柱上の端子函にある盗聴器を取り外すこともしないで下さい。仮にトラブルが発生した場合NTTから訴えられることもあります。必ずNTTや警察に連絡し取り外してもらうのが良いでしょう。

その他では、コンセントの裏に仕掛けられた盗聴器を取り外すにも「第2種電気工事士」以上の資格が必要です。したがって、無資格者が「盗聴器の撤去」を行う場合は有資格者に撤去作業を任せるなど、上記の場所に設置してある盗聴器は自ら撤去しないで下さい。


(4)主な周波数と実務

電波式盗聴器の電波は一般に200~300メートル前後は届くといわれています。
具体的には、出力4~5mWkの弱いもので数十メートル、20mW程度の一般的なもので数百メートルです。ただし遮蔽物の多い場所ではあまり飛びませんが高層マンションなどでは数キロ飛ぶこともあります。一般的には下記の機器などを使用して盗聴器がどこに設置されているかを探索します。

  • 電界強度計

電界の強度を測定する機器でどのぐらいの強さの電界(電波)が出ているかを調べる機械。周波数カウンターと一体となっている機器もあります。

  • 広帯域受信機

AM/FM・TV音声、アマチュア無線から盗聴波に使用されるVHF/UHF帯の電波などを受信可能な機器です。通常は主な盗聴波の周波数をメモリーし順次スキャンしていきます。またメモリーした以外の盗聴波として使用されている周波数を探索し盗聴波が出ていないかを調査します。


ここでは、これ以上の説明は調査のノウハウに当たりますので省かせて頂きます。
調査業者は絶対に盗聴は行わないこと、社会の役に立つ盗聴発見を行いましょう。

 

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