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債権回収をするのは違法

探偵事務所のホームページなどの広告宣伝に、債権回収の表示をしているのをよく見かけますが、弁護士や債権回収会社(法務省が許可)した以外が、業として行う事は違法です。

債券回収の相手方との交渉もできません

ネットで探せば、探偵ばかりでなく、司法書士や行政書士なども「債権回収」をいるような広告があります。知らない人は出来るのではと思うかもしれませんが、実際はどうでしょうか、下記に整理してまとめてみました。

<司法書士>

不動産の権利の移転の場合の登記や、会社を設立したり役員を変更したりするのが仕事です。 但し、特別な研修を受けて試験に合格した「認定司法書士」のみ、140万円以下の債権回収の交渉を代理したり、簡易裁判所において、弁護士とおなじように代理人になったりすることが認められています。

<行政書士>

行政機関に提出する書類の作成代行をするのが仕事で、運転免許試験場の近くで「申請書作成します」や「入国ビザの申請」など許認可を得るための申請書の作成が主な仕事です。債権回収に関することでできる主な業務は次の通りです。相手との交渉はできません

  1. 依頼者名義で、内容証明郵便による催告書の作成
  2. 契約書の作成

探偵業者が出来る範囲(法令の枠内で)の事

債権回収に関して、法令の範囲内で可能な事は、事実関係の調査を行う事だけです。分かり易く記載しますと、可能な業務としては次の二つです。

  • 行方がわからなくなった相手方が現在どこに居住しているかの調査(所在調査
  • 債務者が回収可能な資産を有しているかを調査する(個人信用・資産調査

また、弁護士との関係についても、探偵や行政書士などが「提携している弁護士」と「顧問の弁護士と」などどいうキャッチフレーズでさも合法的に回収ができるかのように見せかけている広告も見かけますが、これらも違法ですので注意してください。

「提携している弁護士を紹介」は違法

「弁護士法」と「債権回収会社」について

<弁護士法関係条文>

第20条
弁護士は、いかなる名義をもってしても、2箇以上の法律事務所を設けることができない。

第27条
弁護士は、第72条・第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 (非弁護士との提携の禁止)

第72条
弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。 (非弁活動非弁護士の法律事務の取扱等の禁止)

第73条
何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によって、その権利の実行をすることを業とすることができない。 (譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)

第74条
弁護士でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。弁護士でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。(提携の禁止-非弁護士の虚偽標示等の禁止)

第27条
第72条又は第73条の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。(非弁護士の法律事務取扱等の罪)

<債権回収会社>-法務省が許可業者を公開しています

弁護士法の特例として特定金融債権の管理や回収を業として行うことができる株式会社の事で法務省が管轄しています。2015年9月末現在、87社が許可されています。

特定金融資産とは、金融機関、政府系機関、保険会社、貸金業者などの債権で(詳細は債権管理回収業に関する特別措置法に記載)一般個人にはあまり関係はありません。

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