慰謝料相場と浮気の慰謝料請求


故意・過失による不法行為(民法709条)により損害を受けた人が、損害賠償を請求する、その損害の内で精神的苦痛に対する代償を慰謝料と言います。


原因を作った配偶者(又は浮気相手)が精神的な苦痛を受けた相手配偶者(被害者)に対して支払わなければならない損害賠償のことです。

浮気不貞による離婚の慰謝料とは婚姻中、お互いに貞操の義務が有るにも関わらず一方が不貞をして離婚などに至った場合に、夫や妻の不倫や不貞による精神的苦痛や離婚などによる生活の変化に対する苦痛に対して慰謝料の請求が行われるわけです。  
 
 

<ポイント>

不貞を原因とする慰謝料請求の基礎知識
<重要項目>
 
  1. 時効の問題・請求期限と浮気の慰謝料について
  2. 不貞行為と証拠の必要性
  3. 浮気相手に対する慰謝料の請求について
  4. 税金との関係についての説明
  5. 算定金額と最近の慰謝料相場の傾向について
  6. 離婚・財産分与との関係
  7. 離婚しない場合における慰謝料請求の相場と考え方
  8. 内縁関係での不貞や不倫のケース
  9. 婚約相手に対して浮気の慰謝料の請求を行う場合
  10. 内容証明明のポイント
  11. 示談書作成の注意
 
 
 
 

<不倫・不貞・浮気の慰謝料の相場>

算定の仕組みと時効について
 
不貞・浮気・不倫を理由とした慰謝料を請求する場合は、その原因を作った有責者である、婚約者や夫や妻、そして夫や妻の不貞不倫相手に対して行う事が出来ます。
また、離婚しなくても慰謝料の請求は可能です。ただし、その請求期限(時効)は、浮気(不貞)行為を知ってから3年間です。
なお、配偶者の様々な原因で離婚に至った場合の慰謝料の算定額は、財産分与や養育費とは違い、相手側にどれだけ非があるか、つまり有責性の程度が大きな判断材料になります。
 
特に浮気・不倫・不貞は、適法な証拠があれば、慰謝料請求が認められ、他の原因による算定額よりも一般に金額が大きく、話が早く決着する傾向があります。
 
 
離婚の慰謝料は浮気不貞だけでなく次のような場合に認められています。
<SOLATIUM>
<慰謝料が認められる場合> <金額の算定基準>
  • 不貞行為(浮気・不倫)
  • 暴力行為
  • 悪意の遺棄(生活費を渡さない等)
  • その他婚姻関係の維持に非協力な行為
  • 通常の性的交渉の拒否
  • 婚姻を破綻させた原因の有責性と、その程度
  • 精神的苦痛の程度
  • 婚姻期間と年令
  • 支払い側の社会的地位と資産・収入
  • 生活能力や扶養する子供の有無
 
慰謝料の金額は、婚姻破綻原因の中でも 1.浮気(不貞) 2.悪意の遺棄 の順で要求が通りやすい傾向があります。従って相手が不貞行為をしているのであれば、不倫や不貞の証拠を確保した方が金額の算定には非常に有利と言えます。
 
 

<財産分与と税金>

なお、原則として財産分与と慰謝料には税金はかかりません。ただし不動産や株券などで授受が行われる場合には、支払う側に譲渡所得税が、不動産を受け取る側には不動産取得税と登録免許税がかかります。
 
 

<浮気の慰謝料相場と不貞>

よく、どのぐらいの金額が請求できるかという質問がありますが、過去のデータや司法統計などをもとに金額の算定は行われていますが、法律で慰謝料の金額があらかじめ決められている訳ではありません。
したがって、どれだけの金額を提示するかは、相手が認めるかどうかは別ですが、非常識な額でなければ、原則として、いくら請求しようと自由です
 
過去の慰謝料の判例では、不貞を理由として離婚した際の、算定額は300万円から400万円前後と認定されていた例が多かったようですが、
最近では、精神的苦痛(慰謝料)についての金銭的評価が上昇傾向にあるので、500万円〜600万円を超える例も増えてきています。
 
ただし、浮気の慰謝料の相場は一律に決まっているものではなく、あくまでも不貞の頻度や個々の離婚の経緯・相手の経済力や有責度により算出されています。
 
婚姻期間 1年未満 1〜3年 3〜10年 10〜20年 20年以上
責任軽度 100 200 300 400 500
責任中度 200 300 500 600 800
責任重度 300 500 700 900 1000
(「慰謝料算定の実務」千葉県弁護士会編より)
単位:万円
参考資料 慰謝料の判例−浮気不貞行為が原因の場合
COMPENSATION
 
 

<離婚の慰謝料と財産分与の関係について>

財産分与とは、夫婦が婚姻中に保有していた実質上共有の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計維持を図ることを目的としていますから、相手方の有責行為(浮気不貞・暴力・悪意の遺棄など)によって、やむおえず離婚に至ったことに対する慰謝料の請求権とは法的にも本来の性質が異なっています。わかり易く説明すると、原則として別の話という事です。
 
 

<財産分与が行われていた場合の慰謝料請求>

離婚により、すでに財産分与が行われていたとしても、この事とは別に不倫、浮気や不貞の精神的損害賠償としての「慰謝料」を請求することは可能です。
但し、財産分与を定めるについては、当事者双方のそれぞれの一切の事情を考慮すべきものですから、それぞれの方の事情で財産分与に慰謝料や損害賠償のための給付をも含めて定めることもできますので、損害賠償の要素を含めて給付された場合には、原則として重ねて、同趣旨の金額を請求する事はできないものと理解されています。
但し、財産分与が損害賠償の要素を含めた趣旨とは認められない場合には、別個に慰謝料を請求することは充分可能です。また精神的苦痛を慰謝するには金額が足りないと認められる場合も同様に請求は可能です。
 
 

<浮気相手に対する慰謝料請求と注意点について>

不貞行為−相手が夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った場合、その不倫相手が、故意または過失(例えば、配偶者がいることを知っていることなど)がある場合には共同不法行為(民法719条)となり、他方の配偶者の権利を侵害していることになります。
したがって、当然の事ですが、権利を侵害された配偶者は、慰謝料を浮気相手に対して請求することが可能となります。
 
 

<浮気相手へ慰謝料を請求する場合の算定金額>

配偶者と離婚をしないで、共同で不法行為(不貞・不倫など)を行った2人のうち、配偶者を許し一方の浮気相手又は愛人のみ糾弾して慰謝料の請求を行った場合における算定される相場の金額は、状況にもよりますが、離婚を前提としていない為、婚姻は破綻していませんから、精神的苦痛は少ないと判断されやすくなります。
したがって損害賠償としての慰謝料の相場は減額される場合が多く、算定額は200万円前後までの例が多いようです。
また、いくらで決着するかは別として、浮気相手へ慰謝料請求として上記の倍額を少し超える程度の金額を掲げることについて、特に問題はありません。
ただ、浮気相手に慰謝料請求を行うことは、配偶者の不倫相手に対しての「再発抑止」の効果はかなり高いと思われます。
   
浮気の慰謝料請求の注意点としては、浮気調査素行調査などに
より不貞の事実についての確かな証拠を確保する事が最優先とお考え下さい。
 
そのあとから内容証明郵便などを利用して、相手に慰謝料請求をするか、配偶者の浮気相手と話し合う機会を作り、交際を中止する誓約書に署名を求め、その後に誓約書に違反し再び関係を持った場合に、(証拠は再度必要となりますが)慰謝料の請求をするなどの方法を取った方がよいと考えられます。(参考−浮気をしない誓約書とは )
 
 

<慰謝料請求と証拠の必要性>

注意点として大事な事は、証拠を確保する前に浮気相手と話し合ったりした場合、ほとんどの相手が不倫や男女の関係を否定する事が多いものです。
浮気の慰謝料を請求しようとしても、そのとき確かな証拠が確保されていなければ裁判を仕掛けても勝てなくなりますし、反対に訴えられる可能性もあります。話がこじれてからや不定されてから証拠の確保をしようとしても、用心したり警戒しているでしょうから、慰謝料請求のためには、浮気不貞の証拠の確保が最優先となります。
 
なお、内容証明や訴訟の為には、愛人の現住所等・連絡先なども住所調査などにより事前に判明させておく必要があります。また相手の勤務先や職業、身元などの確認も必要となる場合も多くあります。
 
 

<内縁関係の場合の浮気の慰謝料請求>

内縁とは、結婚の意志を持って共同生活を営みながらも、戸籍上の婚姻の手続きをしていない為に法律上正式な夫婦としては認められていない男女の関係のことです。婚約とは、将来必ず結婚しようという男女の約束のことです。
これと異なり同棲とは夫婦同然であったとしても、結婚する意志がない場合を言います。
 
浮気の慰謝料と内縁関係
 
内縁の夫婦の場合は、婚姻に準じる関係として、一定の法的保護が与えられています。夫婦の貞操義務、同居義務、協力義務、扶助義務、婚姻費用分担義務などの規定は当然適用されています。したがって、浮気の慰謝料も請求できますし、当然、財産分与の請求も出来ます。
 
 

<婚約関係にあった場合>

正当な理由も無く一方的に婚約を解消されたなどの場合における損害賠償や慰謝料請求は、婚約不履行による損害(婚約披露費用・仲人への礼金・支度金・結婚のため退職した場合の損害や、婚約していた期間や妊娠中絶の有無などによっても算定金額は変わってきます。
 
慰謝料の請求が出来る主な場合
 
  1. 相手側が他の異性と男女の関係(浮気)がある
  2. 他の異性と婚約した、結婚した、重婚を黙っていた
  3. 相手側が結婚式の前に家出した
  4. 性的に異常な嗜好が相手方にあることがわかった
  5. 肉体関係を強要された
 
なお、婚約には形式は必要としていません。
結納や仮祝言がなくても(最高裁判例・昭和38年12月)親兄弟に打ち明けず、同棲もなかった(最高裁・昭和38年9月)としても認められますが、恋愛中の2人が「結婚しよう」といって婚約が成立するかどうか、また同棲しているだけで婚約を判断できるかという問題がありますので、家族親類を交えたところで、結納とか婚約指輪の交換とか、第三者に2人の婚約を認めてもらうなど、慰謝料を請求するためには婚約を明確にしておいたほうが良いと考えられます。
 
 
 
浮気対策マニュアル
 
<目次>
 
1. 浮気発見チェック
  配偶者や恋人の不審な挙動など主な「7つのポイント」について。
2. 浮気の証拠
  恋人や夫・妻が浮気していると思ったとき、どうやって証拠を取ればよいのか、「どのような不貞の証拠が有効なのか」のポイント。
3. 浮気調査料金と費用
  夫や妻、婚約者の不貞や恋人の異性関係の調査についての料金費用の案内
4. 浮気の慰謝料
  金額の算定・相場についての考え方や請求期限(時効)の問題、婚約者や内縁関係の場合についての説明。愛人や浮気相手に対する慰謝料請求についての基礎知識と注意点。
5. 不貞の証拠の活用と必要性
  本人同士の話し合いや協議離婚・調停・裁判でも慰謝料や財産分与など有利にするには、何が大事か。
6. 離婚の基礎知識
  お互いの話し合いから、調停、審判、裁判、認諾、和解の手続きと注意点。
 

浮気対策マニュアル
 
<連絡先>
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